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第151回 『団塊世代は元気一杯』(2009年3月9日更新)
2月末の土曜日、大学の2年先輩の個展に出かけた。ギャラリーは、地下鉄「京橋」駅から数分のところ。女性らしいタッチの水彩画をメーンとした作品は50点近くあった。7年前、がんを患った時から絵を習い始めたところ、夢中になったらしい。先輩にはテニス部で親切に指導してもらった。当時はこんな繊細な絵画を描くとは想像できなかった。先輩も何となく照れくさそうだった。
作品のほとんどが、着物やサイケデリックなファッションの女性モデルを描いたものだ。「モデルさんが半年で5キロ太っちゃって。ここから右がその時の作品」と先輩は笑う。確かにふくよかに描かれている。よく観察して描かれたことが分かる。四季折々の花の絵画もあった。どれも淡い色づかいだ。描き始めたきっかけは病からだったのに、絵には先輩の明るい性格がよく出ていた。
私がギャラリーに到着したのが午後5時ごろ。先輩から絵画の説明を受けていると、先輩と同期の男性陣がラケットを持って集団で入ってきた。朝の新幹線で上京した大阪組もまじえ、午後から府中方面にコートを借り、テニスを楽しんできたという。集まったのは、もちろん先輩の絵画を鑑賞することだったが、「それなら、久しぶりにテニスをしよう」と話がまとまったらしい。
結局、クローズ間際のギャラリーに20数人のテニス部OBが集まった。絵画をじっくり鑑賞する人、学生時代の話に夢中になる人、さっきまでのテニスの練習試合の様子を周りの同期たちに報告する人などで大変な賑わいとなった。いつまでも話はつきない。クローズ時間の6時30分ごろにギャラリーを出たが、そのまま帰る人はいない。自然に近所の居酒屋になだれ込んだ。
たちまち近況報告会となった。Aさんは週2回社交ダンスに通い、そこで知り合ったおばさまたちと時々山登りを楽しんでいる。定年後も新聞社に勤務するBさんは「週1回、自分のコーナーを持っているので、取材に出かけたり、余裕があれば地元でテニスをしたり…」という。京都のCさんは「カミさんと海外旅行。1年のうち3分の一は海外にいるかな」というリッチぶりだ。
定年後の男性はヒマをもて余している人が多いといわれるが、この先輩たちの話を聞いている限りでは、年齢相応に余暇をエンジョイしている。だからこそ、同期の女性が個展を開くと聞くと、すぐに集まる。フットワークの良さは昔と変わらない。何よりも、私たちに素晴らしい作品を見せてくれた先輩は一段と美しくなっていた。私も先輩たちのように目的を持って第二の人生を過ごしていきたい。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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