広報ショートコラム
 
第148回 『中川昭一財務相、酩酊?会見』(2009年2月26日更新)

 中川昭一前財務・金融相が17日夜、辞任した。先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後の記者会見の模様をテレビで何度も見るにつけ、これだけの醜態が全世界に流れてしまった日本のイメージダウンは計り知れないものがあったと思う。クスリかお酒か、その併用なのか原因は定かではないが、酩酊?状態にあまり馴染みのない海外の人はビックリしたに違いない。

 体調が悪いことは、ご本人が一番良く分かっていたと思う。それでも会見席に座ったわけだが、中川財務相が見た目にも普通ではないことぐらい側近の方たちは気がつかなかったのだろうか。気がついても、知らん顔をして大失態を演ずることを期待していたのだろうか。代理会見できるナンバー2はいなかったのか。政治の世界のことはまったく分からないが、いろいろ考えてしまう。

 上司がもし同じような立場になったら、皆さんはどうされるだろうか。私は「顔色も悪いし、体調は万全でないご様子。壇上で倒れられたら逆に大変なことになる」というような理由で会見を辞退していただくと思う。と、言うのは簡単だが、サラリーマン社会、なかなか上司にもの申すことは難しい。時間に余裕のある時は、外部の人から助言してもらうのが一番効果があると思う。

 2002年、日本ハムの関連会社で牛肉偽装事件が発覚。当時の大社(おおこそ):啓二社長(現専務)が謝罪会見の際、数百万円の腕時計をしていたことで、事件は別の角度からも注目を集めた。もう一つあった。大社はスカイブルーのワイシャツ姿で会見場に現れたのだった。部下は何も言えず、たまりかねたPR会社の役員が「白いワイシャツに着替えられたほうが」と注意したという話もある。

 国内がばたついている時、ヒラリー・クリントン米国務長官がさっそうと現れた。各会場での日本の記者団からの質問に笑顔で答え、自ら会見を希望したという皇后様との再会も私たちに微笑ましくうつった。東京大学でのタウンミーティングも、学生たちの質問に真剣に答える姿が印象的だった。その後の訪問先、ジャカルタ、ソウル、北京でも精力的に外交を務め、実に格好良かった。

 つい半年前まで、米大統領選の民主党候補氏名争いでオバマ米大統領と競っていたクリントン氏だが、新体制が確立したらトップの方針に基づき、米国代表として各国首脳との会談を見事にこなしている。日本は、といえば、大臣の失態に議員が寄ってたかっても攻撃している。これでは国益を損なうばかりだ。24日の日米首脳会談の成功を、日本が1つになって祈りたいものだ。


(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
あなたの会社が、何らかのトラブルで記者会見を行わなければいけない...。突然の記者会見対応...。そのときになってから対策を講じていては、間に合いません。いざというときのために、事前に模擬記者会見を体験してはいかがでしょうか。
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