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第146回 『グッドモーニング』(2009年2月19日更新)
2月7日付読売新聞のくらし欄「人生案内」の、「あいさつ返さない住民多い」という見出しにクギづけになった。私も常々、そう感じ、友人からもよく聞く話だからだ。質問は、60歳代後半の男性からだった。「いまのマンションに住んで十数年になるが、気さくにあいさつできる住民は限られており、大半の人は無言で会釈するだけ。ストレスがたまるばかり」という内容だった。
それに対する回答は「ご無念でしょう」と、まずは同情の言葉。さらに「それぞれの事情があるのかもしれない。あなたに敵意を持っている人もいないとはいえないし、あなた自身が気づかぬうちに無愛想にしているときもあるかもしれない。年月のうちにつながりを広げ、深めるようにしては」とアドバイスし、「むしろ面白い、と達観するという手もありそう」と結んでいた。
サラリーマン社会でもいま、同じようなことが起きている。「おはようございます」のあいさつさえ、まともに言えないサラリーマン、OLが増えている。港区の高層ビルにオフィスを構えるX社に勤める大学時代の後輩が「私の部署は、Y社とフロアーを共有しているのですが、Y社の大半の社員は私があいさつしても黙っているんです」とよく嘆いている。
朝、顔を合わせ、「おはようございます」と声をかけると、管理職らしき人は「おはようございます」と返ってくるが、自分からは言ってこない。社員になると、「(小さな声で語尾だけ)ございます」「………」だけらしい。「あいさつもまともに出来ない社員がいる会社って、覇気がないし、常識もない。どんな会社なんだろう、って思ってしまいますよね」と怒る。
同感だ。あいさつは企業姿勢そのもので、社員一人ひとりの士気を高め、日ごろの活動やイメージにも結びついてくる。海外を礼賛するわけではないが、ニューヨークのホテルなどで朝、出かける際にスタッフからにこやかに「グッドモーニング」と声をかけられると、すがすがしい気分になるし、今度来るときもまたこのホテルにしようと思う。
そうした接客業のみならず、朝のあいさつの効用は大きい。改めて、社内報やイントラネットなどで「『おはようございます』とあいさつしていますか?」などと呼びかけるのもひとつの方法かもしれない。「わが社は大丈夫」とおっしゃる広報担当の方もいると思う。しかし、ネット社会のいま、パソコンの画面ばかり見ていて意外とあいさつを忘れてしまうこともあるのです。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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