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第142回 『若麒麟、大麻で逮捕』(2009年2月5日更新)
1月30日、大相撲尾車部屋(東京都江東区)の若麒麟(わかきりん)容疑者が大麻取締法違反(所持)で逮捕され、日本相撲協会から解雇処分された。昨年8月には、元若ノ鵬が同じ容疑で逮捕され、抜き打ち薬物検査で陽性反応が出た元露鵬と元白露山とともに解雇されている。今回の事件で、角界の体質はなんら変わっていないことを私たちに印象付けた。
事件を受けて30日、日本相撲協会の武庫川理事長(元横綱三重の海)らが両国国技館で謝罪会見を行った。しかし、産経新聞1月31日付の紙面を読む限り、幹部からは謝罪の言葉は聞かれなかった。「原因がどこにあるのか私も知りたい」「本当に情けない」と語った武庫川理事長。これらの言葉は謝罪でも何でもない。自分たちの弁解にすぎない。
社会面では、協会で事件の報告を終え、部屋に戻った師匠の尾車親方(元大関琴風)へのインタビューの模様が掲載されている。「残念」という言葉を何回も繰り返し…、と取材記者は書いている。これも謝罪ではない。他人事のように聞こえる。今回、悪いのはもちろん、若麒麟容疑者自身である。しかし、角界のトップ、容疑者が所属する部屋の親方の謝罪会見としてはお粗末だ。
こうした生ぬるい体質だからこそ、次々とさまざまな事件が発生していると思われても仕方ない。国技である相撲ファンの気持ちを踏みにじっていることになる。謝罪会見では、言ってはいけない言葉がある。「遺憾に思う」「たいしたことはない」という言葉である。「遺憾に思う」は謝罪の言葉ではない。「たいしたことはない」は、「事件を起こしておいて反省がない」ということになる。
次のような発言も、「何を勘違いしているんだ」と言いたくなる。
| ◆ | 「法律には違反していない」 |
| ◆ | 「業界では常識。みんな、やっている」 |
| ◆ | 「私は知らなかった。部下がやったこと」 |
| ◆ | 自分も被害者であるという言葉(例:「私だって寝ていないんだ!」) |
事件・事故は、いつわが身に降りかかってくるか分からない。責任ある立場なら、部下が起こした事件・事故に対して、組織を代表して謝罪しなければならない。その場合、新聞、テレビの記者に謝罪するのではない。マスコミを通して、世間やファンに謝罪するということを忘れないでいただきたい。さまざまな謝罪会見を他山の石とし、自らへの戒めとしてほしい。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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