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第124回 『エスカレーター』(2008年11月28日更新)
産経新聞1面の連載漫画「ひなちゃんの日常」(南ひろこ著)で先日、エスカレーターを走って利用することの危険性を訴えていた。
漫画を紹介すると、次のようだった。
(ひなちゃんとママが手をつないで、下りのエスカレーターに乗っているところへ、男性がダッダッと走りながら下りてきて、ひなちゃんにぶつかる)
ママ:「エスカレーターで走るのは危ないですよ」
男:「ていうかさぁ、左側によってろ」
ママ:「小さい子は手をつながないと危ないわ」
男:「だったら乗るなよ。こっちは急いでるんだ」と、走り去る。
ひなちゃん:「あんまりいそいでころばないよ−に−。ころぶといたいですよ−」
という呼びかけに、男はギクリとする。
数日後、私も同じような体験をした。大崎駅でりんかい線からJR山手線へ乗り換えるための下りエスカレーターでのこと。途中まで来たとき、幅50aはあると思われる大きなバッグを肩から提げた若いサラリーマンが駆け下りてきて、バッグが私の右肩に当たった。いきなりのことで、私は前のめりになって1段先の女性にぶつかりそうになった。
私が必死で手すりを握り締めたため何事もなかったが、もしボケーと立っていたら―と思うと、ゾッとする。下りエスカレーターで一人が転べば、将棋倒しになる。そのとき、私がひなちゃんのママのように男性に注意すればよかったのだが、エスカレーターをかけ降りた男性はホームに入ってきた電車に飛び乗ってしまった。何もできなかった私には、じくじたる思いだけが残っている。
キャリーバッグを引っ張っている人や、大きなリュックサックを背負っている人たちは、案外、、自分の身体以上の体積で動いているという自覚がない。一方、荷物を持っていない人も、お相撲さんが通れば道を譲るが、他人の荷物のために道を譲ることには気がつかない。それだけに、大きな荷物を持つ人たちは、常に周囲に配慮して行動してほしいと思う。
「なんで、そんなに遠慮しなければならないの」と思う方もいるかもしれない。でも、荷物が凶器になることだってあり得るのだ。たとえば、小ぶりなデイパックでも、それを背負って、いきなり振り返り、あたったのがお年寄りなら転倒してしまう。自分の背中で何がおきているのか―。持ち物の大きさを考えて行動する人は、慎み深い人柄が振舞いに自然と表れて美しい。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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