Vol.350 バナナ繊維でエコファッション

2007年8月20日更新

 身近な果物「バナナ」。日清紡では、このバナナの茎を利用して作るバナナ繊維の工業化に成功し、地球のエコに貢献する繊維としてカジュアルウエアーを中心に少しずつ利用の範囲を広げています。
 バナナは3?6ヶ月で成長し、実をつけると枯れ、収穫時に茎は伐採され廃棄されます。そして残った部分から新たな茎が出て再び成長するという循環をします。廃棄物として捨てられるバナナの茎を紙などに有効利用する研究(バナナ・グリーンゴールドプロジェクト)が1998年から政府のODA活動の一環として、名古屋市立大学大学院森嶋教授らの研究を中心に始まりました。日清紡では、森嶋先生との共同研究の形でバナナ繊維のテキスタイル化に取り組んでいます。

  
バナナ繊維でエコファッション
  

 バナナ繊維は、茎の外皮を剥がし、繊維が柔らかく細い内皮から取り出されます。取り出した繊維を洗浄・乾燥させて精練後、細いわた状にします。これを綿と混紡したり糸にします。通常、綿の繊維の直径は15?前後ですが、バナナ繊維はその4?5倍の太さがあり、糸切れなどの問題もあって、現段階では単品での使用は難しく、混紡率もバナナ繊維30%綿繊維70%が主流のようです。繊維が太いことからチクチク感が出ますが、アルカリ減量加工などの表面処理によってしなやかでツヤのある生地に仕上がるのだそうです。
 バナナ繊維が混紡されている素材の特長は吸水性に優れ、軽いということで、カジュアルウエアーを中心にジャケットやパンツ、ジーンズ、ユニフォームなど、バナナ繊維の使用用途も広がりつつありますが、課題は混紡率を上げること。消費拡大を図るためには、単品使用が出来るまでに、細い繊維に加工する技術の開発でしょう。

 バナナは世界で1億トンが生産され切り倒す茎は10億トンにのぼるのだそうです。この一部が繊維になるとしても相当な資源を有効に使うことが出来、また、バナナではまだ行われていないバイオマスエネルギーとしても、バナナの茎はセルロース繊維なので、大いに活用できることが期待されています。

 バナナ・グリーンゴールドプロジェクトはバナナの廃棄物「茎」を再利用して紙や布に作り出すことで、地球環境を維持しようという具体的な取り組みです。この取り組みは、温暖化効果ガスの排出を行っている先進国である日本が率先して行うべき途上国への支援の一つであり、貧困による森林伐採や焼畑の抑制、途上国の環境、経済、教育などの改善への支援につながる途上国の森林保全の一つになる取り組みといえます。
 あなたが出来ることは、こんな思いで出来ているバナナ繊維の服を購入することです。