2、3年前からふんだんにレースを使ったワンピースやブラウス、シャツなどをよく見かけるようになりました。これまでレースというと、洋服の襟元や裾、袖口などを飾るものだったり、前立ての飾りフリルなど、洋服にインパクトを与える部材として使われる『細幅レース』が中心で、あくまでも脇役でしかありませんでした。 ところが、今年のレース使いは少し違います。梅春ものとして店頭のウインドーを飾っているスカートやジャケット、ワンピースを見てみると、服全体の柄としてレースが使われているものがあり、『広幅レース』で作った服を多く見かけます。

この春夏のトレンドのひとつが「ロマンティシズム」です。ロマンティックな装いの手段にレースが使われています。細幅レースをフリル使いして、何段にも重ねてフェミニンにお人形さんのように仕上げた洋服もありますが、薄い生地に細かな花柄を刺繍してレースに仕立て、生地でフェミニンな装いにしたワンピースなど『広幅レース』使いで目新しさが目立ちます。
レースの加工は、国産ならではの複雑な加工がされているものが多く、安い海外品とは一線を画す仕上がりとなっています。刺繍自体を細かく仕上げたり、針数(刺繍の量)や穴あき部分をふんだんに取り入れて、極細糸を使ったハンドカッティングで手の込んだレースの仕上がりにするなど、国産ならではの付加価値と高級感を出しています。
一昔前の広幅レースの服といえば、綿ブロードに施された簡単な穴あきレースに限られていて、子供の服か、夏の黒の礼装用としての用途しかありませんでした。しかし、素材も加工方法もいろいろ、レースの表情が広がった今年の広幅レースは、一枚仕立ての薄い生地でもボリューム感があり、高級感あふれるフェミニンでロマンティックな装いを体感できるお洒落な一着となるはずです。
全身使いされている広幅レースは、ドレッシーな服にもなりますが、細幅レースのフリル使いと違って甘くなり過ぎず、素材によっては重み(ハリ感のある)があり、ジオメトリック(幾何学)柄のレースであればカジュアルにもシックにも仕上がり、重宝できる春夏のアイテムの一つになります。
フェミニン派はワンピースで、カジュアル派はジャケットスーツで先ずは試してみてはいかがでしょうか?