(52)「チーム伊藤園」として発信

伊藤園・広報部長 岩田孝浩氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 伊藤園・広報部長 岩田孝浩氏 
新聞発行日 2017年8月31日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
岩田孝浩(いわた・たかひろ)
1992年龍谷大経卒、伊藤園入社。名古屋市内各支店、三河支店、名古屋支店長、中部量販店部チルド課長を経て2013年広報部副部長。14年から現職。


─緑茶飲料が好調です
 2017年4月期の連結営業利益は約217億円で、前期比約26%増でした。国内では主力の緑茶飲料「お~いお茶」が堅調に推移し、健康ミネラル麦茶、タリーズコーヒーの販売が好調だったこと、海外でも健康志向が高まっている北米や中国を中心としたアジアで茶葉(リーフ)製品と飲料(ドリンク)製品の販売が伸びたことが要因です。他社も緑茶飲料に注力しており、それが緑茶飲料市場活性化の要因になっています。決算説明会には、関係者や証券アナリストなど約130人、メディアからは30紙の記者に出席していただきました。


─中長期経営計画を発表しました
 「世界のティーカンパニー」に向けて、「茶畑から茶殻まで」の事業バリューチェーンを強化、「お~いお茶」と「ITO EN」の製品と企業ブランドの両輪でグローバル展開を推進していきます。同時に、国内収益基盤の強化に取り組み、グループ全体としてブランド力の強化とシナジーを創り出していきます。これらを通じて22年4月期に売上高6000億円を目指しています。


─ビジネス誌「フォーチュン」の特集記事で、「世界を変える企業50社」の18位に選ばれました
 日本業では最高位でした。経営戦略の一環として社会課題に独自に取り組んでいる「茶産地育成事業」や「茶殻リサイクルシステム」などが評価されたものです。このニュースが国内メディアなどに取り上げられ、当社の「茶畑から茶殻まで」の事業バリューチェーンが、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)課題に的確に対応し、経営リスクの低減と事業機会の拡大の両面においても持続的な活動であると認知していただく最良の機会となりました。


─茶産地育成事業とは
 今、緑茶飲料の市場拡大で茶葉の需要が増えていますが、茶の生産現場は、就農者の高齢化や後継者不足で茶農家、茶園面積が減少しつつあります。こうした問題に、お茶のトップメーカーとして、高品質な茶葉原料の確保にいち早く取り組んでまいりました。茶産地育成事業は、「新産地事業」と「契約栽培」に分かれます。当社の求める品質の茶葉を生産していただき、全量買取させていただいています。当社は生産工程にも関わり、耕作放棄地を環境と共存する大規模な茶園に造成することをサポートし、茶葉生産に関する技術、ノウハウも提供します。


─茶殻リサイクル活動としては
 日本茶飲料の拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も増えています。こうした中、当社では茶殻を原材料の一部に使用し、畳や建材、樹脂製品、ペットボトル用段ボールなどこれまで約100種類の茶殻リサイクル製品を開発してきました。


─広報体制は
 広報部は、広報室、IR・株式課からなり、総勢12人です。今、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが企業評価の1つになっています。本庄大介社長はよく、「常にお客さまの立場で、社員が一丸となり『チーム伊藤園』として取り組んでいこう」と語っています。ESG、SDGsともまさにチームとして取り組んでいかなければならない課題であり、広報の立場としてそれを浸透していきたいと思っています。


(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2017.9.15 更新)