(57)幅広い事業分野 効果的に発信

丸紅・執行役員秘書部長兼広報部長・島崎豊氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 丸紅・執行役員秘書部長兼広報部長・島崎豊氏
新聞発行日 2017年11月9日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
島崎豊(しまざき・ゆたか) 
 1982年慶大経卒、丸紅入社。海外インフラ案件に従事しイラク、タイに駐在。会長秘書、環境インフラプロジェクト部副部長。2008年広報部副部長、11年秘書部長兼務、15年広報部長兼務、16年から現職。


─広報を担当して10年になります
 広報は常に経営と一体でありたいしあるべきで、会社の内外をつなぐ窓のような役割もあると思います。社外への情報発信だけでなく、社外の評判や耳の痛い話を社内に伝える役割です。また、役員・社員のベクトルを合わせることが重要で、それを円滑に進めるために会社の現状や丸紅グループの多岐にわたる事業内容への理解・促進を図るのが仕事だと考えています。そして丸紅の広い事業分野を知ってもらうことで、日々お取引先に通う社員一人一人が広報パーソンとなり、丸紅のプレゼンスひいてはブランドを上げる一助になると信じています。


 ─事業理解のためのツールは
 国内の丸紅グループ社員を対象とした社内誌「M-SPIRIT(エムスピリット)」では、社長をはじめ経営陣の考えや国内外の営業活動の様子を伝えたり、毎号特集を組んでいます。ウェブ版グループ報「MS+(エムエスプラス)」では、最新の情報をほぼ毎日更新し掲載しています。またホームページやユーチューブ、フェイスブックで公開している動画サイト「Scope(スコープ)」では、プロのジャーナリスト、カメラマンを起用することで事業会社や社会貢献活動について、分かりやすく紹介しています。


 ─反響が大きかった動画は
 最近では、農業化学品事業の中核である、全米第2位の農業・肥料を取り扱うヘレナケミカル(テネシー州)が評判でした。「ピープル(人)、プロダクト(商品)、ナレッジ(知識)」をモットーとした同社は、単に農家にモノを売るのではなく、全米約10万件の顧客に対しコンサルタント的な役割を担い、収穫を増やすために何が必要かなどのニーズに応えた、きめ細かいサービスを提供しています。
 また海外7カ国で行っている海外奨学基金でベトナムを取り上げ、その奨学金を受けた子供の動画を見て感動したとの感想をいただいています。


─広報体制は
 メンバーは総勢30人で、企画・ブランド推進課、報道課、CSR・地球環境室と業務内容が異なる3つの組織で構成されています。広報部の特徴として、広報プロパーはほとんどおらず、営業や管理(CS)部門とローテーション人事をしており、結果としてさまざまなバックグラウンドを持つ部員の集団となっています。
 最近はこの3つの組織間で積極的に人事交流を進めており、部内で情報の共有化と付加価値の創造を図っています。


 ─丸紅基金についてお聞かせください
 通常の広報活動に加え、1974年創設の丸紅基金の運営も広報部で担っています。全国の社会福祉法人向けに年間1億円を寄付して今年で43年目を迎えます。「100円クラブ」という役員、社員、OB・OGからの個人寄付と、丸紅が同額を寄付するマッチングギフトなどを原資として、毎年500件を超える応募の中から約60件を選考。これまでの助成実績は、累計約2500件、総額43億円となり、社員の社会貢献への意識向上につながっています。広報を担当する部として、いかに効果的に情報発信していくかは当然大切ですが、それ以上に約4万人のグループ社員一人一人が自発的に広報活動を展開するのが理想と考えています。


(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2017.11.17更新)