(114) 低価格電池の性能

 充電できる電気製品が増えたとはいえ、時計、リモコン、デジカメ、玩具など身近には乾電池を使うものが少なくありません。乾電池は、大手電機メーカーブランドの他に、 100円ショップやホームセンターブランドがあり低価格で販売されていますが、気になるのがその“持ち”。そこで、価格の違いは電池の寿命と比例するのかを検証してみました。


単三電池

 実験に用いたのは家庭で使う機会が多い単三電池。単三電池1本で動く電車玩具を使用し、比較的負荷が大きいと思われる携帯電話の充電器やデジカメを想定して500グラム荷重を牽引しながら 周回レールを連続走行させ、停止するまでの走行時間を計りました。
 結果は、低価格品の持ちが明らかに悪くなるということはありませんでした(表)。電池は負荷が異なると性能が変わる可能性があるため一概に差がないとは言えませんが、 4時間程度で使い切るケースなら低価格品でもそれほど遜色はなさそうです。


結果一覧


 ただ、電池の性能には安全性や保存性も重要な要素です。大手電機メーカーブランドには「使用推奨期限10年」「液漏れ防止効果又は製法」と表示された製品が多い一方で、 低価格品は長くても7年、通常は5年で、液漏れ防止の表記は見当たりませんでした。電池の液漏れを放置すると電極や電子部品を腐食させて機器を壊す原因になります。 カメラやラジオなどのデジタル機器は、電池電圧が下がると自動的に動作を止めるので過放電が起こりにくいのですが、懐中電灯や玩具など単純な機器は、スイッチを切り忘れると 電池の限界以上に電流が流れ続けるため、低価格品では液漏れを起こす可能性が高くなります。また、低価格品の中には外装フィルムに傷や凹みがあるものもあり、品質面でも不安が残りました。

 災害など非常時には重要な電源としても欠かせない電池。肝心な時に液漏れや電池切れで使えないといったことがないよう、日常用と長期保存や防災機器に使用するもので大手メーカーブランドと 低価格品を賢く使い分けましょう。ただし、懐中電灯や玩具は使い終わったら必ずスイッチを切るのを忘れずに。

(2016.02.12)


産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

【関連情報】
商品研究レポート「海外製の低価格乾電池の性能」
乾電池を購入する際に気になるのが、「持ち」や「パワー」といった性能。店頭で目にする乾電池は、大手電機メーカーブランドの他に、100円ショップやホームセンターブランドなど種類が豊富で価格にも幅があり、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。そこで、家庭で使う機会が多い単三形アルカリ乾電池の性能について検証してみました。

生活科学研究室