(105) ステンレスタンブラー

 最近オフィスのデスク周りでマグカップやタンブラーを愛用している人が増えています。そこで温かい飲み物は冷めにくく、冷たい飲み物は冷たいままといった真空断熱構造のステンレスタンブラーの能力はいかなるものか、調べてみました。価格帯の異なるステンレスタンブラー6点(本体と内瓶の間に水を入れて冷凍庫で凍らせてから使用する保冷専用の冷凍タイプⒷ1点を含む)を陶器やガラスのコップと比較して、保温性と保冷性の検証をしました。

評価品

■ 保温性
 室温(27±1℃)のオフィス環境で、飲み口の1㎝下まで熱湯を注ぎ、水温と本体外側の温度を測定しました。湯温が90℃から60℃に下がるまでの時間を比較し、時間が長いものほどの保温性が高いと判断しました。陶器が19分だったのに対して、ステンレスタンブラーは2倍以上の40〜50分と、長時間温かい状態を保っていました。今回評価した中では低価格Ⓔが最も良い結果となりました。
 また、本体外側の温度は、陶器が70℃に達するのに対して、ステンレスタンブラーはわずかに温度上昇するものがほとんどで、熱くて持てないということはありませんでした。

保温性グラフ

■ 保冷性
 保温性と同じ条件で冷水を注ぎ、水温と本体外側の温度を測定しました。注いでから60分後の水温上昇が少ないものほど、保冷性が高いと判断しました。
 陶器とガラスは約11〜12℃上昇していたのに対して、ステンレスタンブラーは、約1〜5℃程度の上昇にとどまり、冷凍タイプⒷは0.6℃下がり、冷水の状態を保っていました。本体外側の温度についても、ステンレスタンブラーは陶器やガラスのような急激な温度低下はなく、水滴がつくようなこともありませんでした。

保冷性グラフ

評価結果

 今回の評価結果から、真空断熱構造のステンレスタンブラーは保温性・保冷性に優れており、陶器やガラスに比べて長時間飲み物を適温でキープすることが確認できました。そして低価格でも高価格のものと同等もしくは高い性能を持っているものもありました。飲み物を美味しく、エコにもつながるマイタンブラーを持ってみてはいかがでしょうか。

(2015.09.25)


産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室