(131)スパゲッティの塩ゆで

  塩の量は加減しても大丈夫


 パスタをゆでるとき、ゆで湯に塩を加えます。この塩には、コシのある歯ごたえにする、薄い塩味をつけることで具やソースとのなじみをよくする、という効果があるといわれています。そこで、食塩水の塩分濃度によってどのような差が生じるのか調べてみました。

   
油揚げがおいしい
 

● ゆで方
 スパゲティなどパスタの商品表示を見ると、「パスタ100gなら、水1ℓに対して塩適量や塩少しを加える。目安量は塩小さじ1(約5g)」などと書かれ、0.5%食塩水でゆでることを標準にしているようです。一方、イタリア料理シェフの料理本では「1.5%食塩水でゆでる」と指定されていることもあります。さらには、ゆで湯には塩を加えなくてもよい、という意見もあります。
 そこで、太さ1.6mmのスパゲティ100gを用い、熱湯1ℓに対して食塩添加量0g(0%食塩水)、5g(同約0.5%)、10g(同約1.0%)、15g(同約1.5%)の計4種類のゆで湯を用意しました。商品表示に従って7分ゆでた後、ザルにあけてから10秒間おいてサンプルとしました。


● 重量変化率と塩分含有量
 3回ずつゆで、ゆで後のスパゲティ(以下、ゆでスパ)の重量を測定して重量変化率を求め、ナトリウム含有量を測定して食塩含有量を算出しました(図)。
 重量変化率はゆで湯の食塩添加量が多くなるほど小さくなり、麺がしまる傾向にありました。 スパゲティは塩を加えないで作るので、0%食塩水のゆでスパの塩分含有量は0g。ゆで湯の食塩添加量が多くなるとゆでスパの塩分含有量もほぼ比例して多くなり、乾燥スパゲティ100gをゆでた場合、1.5%ゆでスパは0.5%ゆでスパよりも約1.5gも多く食塩を摂ることになりました。


ゆでたスパの重量変化と食塩含有量


● 食 感
 ゆでスパを研究員3名で食べ比べてみました。ゆで直後は0%食塩水のゆでスパも、アルデンテと呼ばれる理想的なゆで上がり状態のしっかり歯ごたえを感じましたが、すぐに伸びて歯ごたえがなくなってしまいました。ゆで湯に加える食塩の量が多くなるほど、麺がしまって歯ごたえがあり、その食感が長持ちしました。


● まとめ
 ゆで湯に加える食塩の量を多くすればアルデンテの食感は長持ちしますが、塩分の摂取量が多くなってしまいます。塩分が気になる場合は、食塩控えめのゆで湯にする、あるいはゆでるパスタの量を控える方法で塩分摂取量を抑えてください。また、パスタはソースや具と一緒に食べます。ゆで湯に食塩を多く加える場合は合せるソースの量や味で調節し、市販のソースを利用する場合は食塩控えめのゆで湯でゆで、物足りなければ最後に調節するとよいでしょう。食塩控えめのゆで湯でもアルデンテの食感にゆで上げることはできます。食感が損なわれるスピードに負けないよう、すばやく盛りつけてすぐに食べることも、おいしく食べる方法のひとつです。

(2016.10.21)


産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室