(125) 冷 茶

  急須なら水を少なくして短時間で


 この時期、緑茶も冷たいものを飲みたくなります。熱い緑茶をグラスに入れた氷にかけて冷やす方法もありますが、湯を沸かしたり、氷を用意したりする手間を省き、冷蔵庫で冷やしておいた水でいれる水出し法を調べました。

   
冷茶
 

● 抽出方法
 スーパーで購入した100g約500円の茶葉と約5℃のミネラルウオーター(以下水)を用い、茶葉6g(小さじ約3杯)に対する水の量と置き時間を変えて抽出しました。少量を抽出する場合は急須を用いて水の量を100、150または200g、室温に置いて抽出する時間を1、3、5、10または15分とし、多めに抽出する場合は麦茶などに用いるサーバーを用いて水量を300または500g、冷蔵庫に入れて抽出する時間を2、4または6時間としました。


● 官能評価
 予備試験を行ったところ、緑茶の旨味や渋味に対する好みは人によって大きく異なることが分かりました。旨味・甘味を味わいたい人、苦味・渋味をきちんと感じたい人をバランスよく選び、6名の研究員で抽出した冷茶を飲み比べました。
 旨味・甘味または苦味・渋味を感じない=0点、やや感じる=1点、感じる=2点、飲みたくないほど強く感じる=3点で評価して平均を求めました。また、冷茶として飲める許容範囲であるか否かを問い、許容範囲である場合は、その味がお菓子などと一緒に少量を楽しむ「少飲タイプ」あるいは喉の渇きをいやすためにゴクゴク飲む「多飲タイプ」にふさわしいか否かを評価しました。
 許容範囲内であると全員が回答したのは、水100g・3~5分、150g・5~10分、200g・10~15分、300g・2時間、500g・2~6時間(表)でした。そのうち、苦味が強いため少飲に限定と評価されたのは150g・10分、200g・15分。急須とサーバーのいずれも、水の量が少なくて抽出時間が短いほうが旨味・甘味を感じやすく、水の量が多くて抽出時間が長くなるほど苦味・渋味を強く感じる傾向が見られました。また、抽出時間の差が2分でも味のバランスが大きく異なる、苦味・渋味が強いと旨味・甘味が隠れてしまうことが分かりました。


急須でいれた冷茶の評価


● まとめ
 おいしい冷茶には適度な旨味と渋味が必要で、そのバランスが大切でした。苦味・渋味を抑えて旨味・甘味を感じたいのなら、少なめの水で短時間抽出するのがおすすめです。サーバーを使って多めの水で抽出する場合は、長時間置くと苦味だけが際立ってしまうので、茶葉を多めに使って短時間で抽出するとよいでしょう。
 同じ茶葉量・水量・抽出時間でも、茶葉の種類や製品によって冷茶の味は変わりました。お手持ちの茶葉を使ってお好みの味にいれる条件を探ってみてください。

(2016.07.29)


産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室