(110) 辛味調味料

 塩分もあるので気をつけて

 鍋物がおいしい季節になりました。鍋物は具と煮汁の両方をたっぷりと楽しむ料理。うっかりすると塩分をとり過ぎてしまうことがあります。そこで、鍋物に香辛料や辛味調味料で味に変化をつけたときの塩分摂取量について調べてみました。

   
辛味調味料各種

● 香辛料と辛味調味料の塩分
 表示やメーカーのホームページなどで塩分量を調べてみたところ、コショウや粉からし、カレー粉、唐辛子などの香辛料に塩分はほとんど含まれていませんでした。一方、辛味調味料には塩分があり、塩味を感じないような市販のもみじおろしでも2%、からし系のマスタードや練りからしは5~9%。調味料として利用するトウバンジャンやユズコショウは15~25%と、しょうゆやみそ以上の塩分を含んでいました。

● 香辛料の効果
 一味唐辛子を煮出して濾した薄めの辛味液を作り、塩分濃度0.3%のしょうゆ液に加えたものと加えないもので飲み比べてみました。10名中8名が辛味つきの方が味を強く感じると答えました。

● 辛味調味料の実使用量
 塩分量が少ない「もみじおろし」、中間の「和風唐辛子みそ」、多い「ユズコショウ」を選び、肉団子鍋の具一定量と煮汁50gを1杯分として辛味好きの10名で食べ、3種の辛味調味料をどれくらい使うかを調べました(写真)。
 4杯分を1食とした場合、使用量に含まれる食塩量を計算したところ(図)、もみじおろしは平均0.5g、唐辛子味噌は0.6g。ユズコショウは平均1.6㌘でしたが使用量の差が大きく、多い人は3.3gも使いました。
 4杯分の汁の塩分は1.5g。それに香辛料を加えると、多い人は4.8gになってしまいます。1日の食塩摂取目標量は男性8.0g未満、女性7.0g未満ですから、1日の6~7割を鍋物でとることになってしまいます。

実使用量をテスト


図:辛味調味料1食分の塩分量


● まとめ
 鍋物を食べるとき、辛味のある香辛料や調味料があると味のアクセントになります。辛味が加わると味を強く感じるので減塩効果が期待できますが、塩分が多い辛味調味料を使うと、逆に知らず知らずのうちに塩分をとり過ぎてしまうことになります。香辛料や辛味調味料を使う場合は、鍋物自身は薄味仕立てにして分のとり過ぎに気をつけましょう。

(2015.12.4)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室