(104) 鶏肉の揚げ物 

 揚げ物を作るとき、衣を薄くつける、または少ない油で揚げ焼くと油の吸収が少ない、といわれています。鶏肉を使って調べてみました。

   
鶏肉の揚げ物

● 揚げ物の種類
 鶏肉の揚げ物といえば、から揚げと天ぷらとフライ。この3種に、細かいパン粉を使ったフライと、深さ1㌢の油で揚げ焼いたフライを加え、計5種類を比較しました。

● 調理方法
 鶏もも肉1枚(約270㌘)を7等分して下味をつけ、片栗粉をまぶします。から揚げはこの状態で揚げますが、天ぷらはさらに薄めの天ぷら衣をつけ、フライは水溶き小麦粉を糊にしてパン粉をつけました。これを、途中で裏返しながら160℃~170℃の油で、から揚げ4分30秒、天ぷら5分、揚げ焼き以外のフライ各3分30秒、揚げ焼きフライ6分30秒揚げました。

● 熱量の測定
 近赤外線分光分析による食品カロリー測定器を用いて熱量(以下カロリー)を測定しました。図にまとめたように、から揚げ、天ぷら、フライの順でカロリーが高くなり、衣が厚くつくほど高くなることがわかりました。フライ3種はほとんど差がありませんでした。

図:1個あたりの熱量

●食べ比べる
 衣が薄いから揚げは肉のうまみが凝縮され、天ぷらは衣がサックリして肉はしっとり、フライは食べ応えがあると、それぞれにおいしさがありました。フライ3種を比較すると、細かいパン粉はフライらしさが少ないと感じる傾向があり、揚げ時間が長い揚げ焼きは肉と衣の間に隙間が生じやすく、衣は硬めですが、フライとは別物のおいしさがあるという感想も出ました。

●まとめ
 衣の種類によって揚げ物のカロリーは異なり、から揚げ、天ぷら、フライの順に高くなることが確認できました。
 今回の調理条件では、フライは細かいパン粉で揚げても、少ない油で揚げ焼きしても、普通のフライよりもカロリーが低くなることはありませんでした。パン粉も油の量も、好みや都合を優先して問題なし、ということです。

(2015.09.11)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室