(133)心拍計

  脈拍計との誤差少ない胸ベルト型


 運動強度を客観的に把握するための心拍計がスポーツの場面で活用されるようになりました。「心拍数」とは1分間に心臓が拍動する数のことで、一般的には「脈拍数」と同義で用いられます。心拍計は胸に装着するのがポピュラーですが、最近では腕時計タイプや指輪タイプなどさまざまな種類が販売されています。

 手首に指を当てて計った脈拍数を基準にして、A~D4種の心拍計の計測内容を比べてみました。Aは胸に装着し、心電位から心拍数を腕時計に出力するタイプ、Bは緑色光を指に照射し血流の変化で脈拍数を出力する手袋タイプ、Cは赤外線を指に照射し血流の変化で脈拍数を出力する指輪タイプ、Dは金属部分を2本の指先に挟んで微弱電流として出力する腕時計タイプです。個人による数値のばらつきを避けるため、研究員1名(男性40歳)が各テスト品を装着し、同条件で運動負荷を加えたときの心拍数の変化を追跡しました。

 まず、平静時(運動前)の心拍を計測した後、ランニングマシンを使って徒歩程度の時速3kmからスタートし、速歩(時速6km)→低速度ラン(時速9km)→中速度ラン(時速12km)→高速度ラン(時速15km)と、5分経過ごとに速度を上げて走行したときの数値を計測しました。



 A~Dいずれの計測方法でも運動強度が増すと数値の上昇が確認できました。Aは基準とした手動計測とほぼ変わらない数値を示しました。Bでは速歩と中速度ラン、Cでは速歩と低速度ランで基準よりも5%以上の低い数値になりました。Dは平静時と徒歩で同じく低い数値となった一方で、低速度ランと中速度ランでは5%以上の高い数値となりました。また高速度ランではB、C、Dのいずれも低い数値を示していることから、身体の末端部分を使う計測では腕の振りが激しくなると機器が揺れて脈拍計測を妨げている可能性が考えられます。ただ、B~Dは、目安となる心拍数が手軽に計れるので、ルーティーの運動時のコンディションチェックにはお勧めです。
 スポーツの秋、心拍計を使って自分に適した運動を始めてみてはいかがでしょう。

 

(2016.11.18)



産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

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