(124)ベースメイクの塗り方の比較

  厚塗り vs 薄塗り

 年齢を重ねるにつれ、気になってくる肌のアラ。きれいに隠そうとファンデーションや下地、コンシーラーなどベースメイク化粧品をついつい塗り過ぎてはいませんか。しかし最近はナチュラルなメイクが主流で、厚化粧は古い印象を与えてしまうかもしれません。また実際に仕上がりや化粧もちはどうか、気になるところではないでしょうか。
 そこで今回は、ベースメイクで気になるカバー力と化粧崩れ(ヨレ)について、厚塗りの場合と薄塗りの場合を比べてみました。今回の実験では厚塗りは薄塗りの約3倍の量としました。

 まずはカバー力です。モデルの濃い円形のシミが描かれた肌模型を使用しました。リキッドファンデーションをモデルシミ部分に一回り大きく円形に塗り、シミの隠れ具合を観察しました(図1)。モデルシミが見えなくなるほどカバー力が高いと言えます。結果は、薄塗りはモデルシミがややぼやけたもののカバーしきれず、形が明確に分かります。一方、厚塗りはモデルシミが隠れて、形がほとんど分からなくなりました。厚塗りの方がカバー力が高く、肌のアラを目立ちにくくしてくれそうです。

   
カバー力比較

 

 次に化粧崩れ(ヨレ)についてです。塗った後、時間が経って表情の動きなどで化粧の膜が崩れてヨレるかを見てみました。肌のモデルシワ部分に濃色のコンシーラーを塗布したとき(塗布後)と10回シワを寄せて動かした後(崩れさせた後)、シワの目立ち具合をマイクロスコープ20倍で撮影しました(図2)。シワが目立つほど、崩れに注意が必要と評価しました。結果は、厚塗りは溝にコンシーラーが溜まり、太いシワが何本も目立つようになりました。薄塗りは変化が少なく、崩れにくいと言えそうです。

   
ヨレ比較

 

 ベースメイクは、厚くするとカバー力が高く肌のアラは隠せますが、時間が経ったときの崩れは気になりました。一方、薄くするとカバー力は低く、肌のアラを隠しきれませんが、時間が経ったときの崩れは目立ちにくいことが分かりました。

 この結果から、①シミやそばかす、肌表面のアラ部分にはピンポイントで厚めに塗って隠す ②表情の動きがある目元や口元、シワのある部分は薄く塗って崩れを最小限に抑える―といった具合に部分的に塗り方を使い分けると良いでしょう。

(2016.07.15)



産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

美容科学研究室