(115) ヘアスタイリング剤

 髪を洗って乾かしヘアスタイルを整えることは日常ですが、スタイリングはどうされていますか。ヘアスタイリング剤(以下、スタイリング剤)を一緒に使う方も多いのではないでしょうか。 ただ、使うとべたつきが気になったり、せっかくスタイルを整えても、長時間もたないのではないかと言った不満の声も聞かれます。
そこで今回は同じメーカーから出ている女性向けスタイリング剤で、ドラッグストアで買えるものを選び、比較してみました。調べたのはスタイリング剤塗布後の「べたつき」と「もち」の2項目についてです。

 用意したのは、スタイルを整えた後に塗布する①ワックス、エアゾールタイプの②フォーム(ウェーブ用)と③スプレー(ハードタイプ)、これらとは異なり先に塗布してから熱をかけて スタイリングする④ミストの4品です。また対照として何も付けない⑤無塗布も加え、計5パターンで実験しました。

 まずはべたつきです。幅5cm、長さ25cmの毛束を使い、コテで2回半巻いてカールを作り、⑤はそのまま、①②は同量、③は5秒間塗布しました。④は使い方にならい①②と同量塗布した後に巻いて、 スタイリングしました。その後、羽根を入れた袋に毛束を入れて出し、羽根が付着した枚数が多いほど「よりべたつく」と判断しました。結果は⑤は付きませんでしたが、④0枚<②1枚<③5枚<①7枚の順でした。 ④はべたつきが少なく、①はべたつきが多そうです。

 続いて、スタイリングのもちです。先の実験で使用した毛束を、スタイルが崩れやすい環境を想定(湿度約65%RH)した実験室に入れ6時間放置前後の毛束の長さを測りました。3回行った平均を図1に示します。 時間経過後でも毛束のカールが垂れて崩れず、放置前のスタイリング直後と比べ変化が少ないほどスタイリングのもちが良いと判定しました。 結果は⑤よりはどれも崩れが少ないことが分かりました。中でも③の変化が最も少なく、①②④は大差がありませんでした。何も付けないよりはスタイリング剤を付けた方がもちは良さそうです(図2)。
 

6時間後の毛束の長さ

 
6時間後の毛束の状態

 スタイリング直後の仕上がりとともにまとめると、①はべたつきが気になるものの毛束が固まってはいないので、カールというより無造作に動きがあるスタイルにしたいときに向いています。 ②はべたつきが少なく、やわらかくふんわりしたスタイルを作れるでしょう。③のべたつきは少しすると落ち着き、作り上げたスタイルを固め、キープするのに良いでしょう。 べたつかない④も毛束を固める感じできっちり仕上げたいときに有効ですが、やり直しはきかないので注意が必要です。
 それぞれ仕上がりは異なりますので併用したり、使用する場面や好みに合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか。 スタイリング剤の特徴を知って上手く取り入れることで、ヘアスタイルをより素敵に楽しみたいですね。

(2016.02.26)



産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

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