(112) 貼るタイプの使い捨てカイロ

 温かさは表示時間以上、性能に大きな差はなし

   
使い捨てカイロ

 寒い季節、外出や屋外のスポーツ観戦などで使い捨てカイロを利用する人も多いのではないでしょうか。使い捨てカイロは、鉄粉が錆びる際の発熱反応(酸化反応)を利用した冬の定番商品です。今回は、その中で「貼るタイプの使い捨てカイロ」について調査しました。
 調べたのは、衣類に貼るタイプ6商品(A~F)と、肌に直接貼るタイプ1商品(温熱シート・一般医療機器)(G)の合計7商品=表参照。Eは100円ショップで売られているもので中国製、それ以外は日本製です。男女2人の研究員で使用し、性能を比較しました。

   
商品測定結果一覧

【温 度】
   まず、スタッフの肌に温度センサーを付け、肌の上での温度を計測しました。肌が心地良いと感じる温かさの目安は40~41度。この温度になるまでの時間が最も早かったのは肌に直接貼るGで10分、それ以外はすべて30分でした。結果から、衣類に貼るタイプのカイロは外出の30分ぐらい前に貼るのが良さそうです。
 Fは使用中にフィルムをはがすことで温度を上げることができる商品です。フィルムをはがしたときの最高温度は46度。少し熱いと感じる温度ですが、すぐに下がって40~41度になりました。
 商品表示の「最高温度は60℃以上、平均温度は50℃以上」を見て、やけどするのではと思ったりしますが、この表示は、JIS規格に従って計測した場合の数字です。今回の試験では、最高で46℃、平均温度はいずれも41℃前後でした。

【使用感】
 ▽貼りやすさ▽剥がしやすさ▽温かく感じる範囲―について、5段階評価し平均を出しました。数字が多いほど高い評価です。貼りやすさでは差が見られませんでしたが、剥がしやすさはGが今ひとつの評価でした。また、温かく感じる範囲の評価が低かったBとDはミニタイプで、カイロの面積が小さいことが影響したようです。

   
官能評価結果

【持続時間】
 温かさの持続時間は、すべての商品で表示された時間より長くなりました。中でもEは表示は10時間でしたが、実際は14時間以上も温かさが持続しました。CとFも14時間以上でした。  40~41度は心地良い温度ですが、衣類の上から貼るタイプのカイロ本体の温度はこれより高い温度です。長時間使用すると低温やけどの可能性もあります。とくに子供や高齢者は貼ったままにしてしまうことがありますので、注意してください。

【まとめ】
 調査の結果、使い捨てカイロは価格が違っても性能に大差はなく、安いものでも十分に温め効果が持続することが分かりました。ただ、サイズが小さいBとDは、とくに男性では使用評価が低くなりました。試した男性は女性より体格が大きいことで、小さいサイズは心地良い温かさを感じにくかったようです。購入するときは、使う人の体格を考えて、サイズをチェックして選ぶと良いでしょう。
 最後に、カイロを捨てる際にも注意してください。一見して燃えるゴミとして捨ててしまいそうですが、不燃ごみ扱いの自治体も多くなっています。確認して捨てましょう。

(2016.01.15)



産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

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